デーツ(なつめやし)とは|栄養成分や健康効果は?種類ごとの違いも解説!

デーツトップ写真

はるか昔から中東の人々の命を支えてきたデーツ。その濃厚な甘みと豊富な栄養素から、近年の健康志向の高まりとともに日本でも注目を集めています。ここでは、デーツの基本的な知識から、含まれる栄養成分と期待できる健康効果、さらには品種ごとの違いや美味しい食べ方についてもご紹介します。

デーツとは?

デーツは日本ではあまり馴染みのない食べ物ですが、中東諸国では古くから主要な食べ物のひとつです。デーツとはどんな食べ物で、どんな味がするのでしょうか。また、デーツの原産地や歴史、混同されやすい「なつめ」との違いについても解説します。

デーツとはどんな食べ物?どんな味?

デーツは、暑さや塩害に強く、生命力の高い植物として知られるヤシ科の高木「なつめやし」の果実です。デーツは木になったまま熟し、そのまま太陽に当てて乾燥すると、皮にしわがよって色が濃くなり、やがてねっとりした食感に。こうなると収穫のサイン。デーツは、木の上で熟して乾燥させる、珍しいドライフルーツです。大きさは種類によって異なりますが、平均して長さ3〜7cm、直径2〜3cm程度。中には種が1つ含まれています。濃厚な甘みが特徴で、黒糖や干し柿に似た味わいともいわれています。

なつめやしの木

デーツの原産地や歴史

デーツの原産地は北アフリカから中東にかけての地域で、特にエジプト、サウジアラビア、イランなどが主な生産国です。デーツの歴史は非常に古く、紀元前5000年頃には栽培が始まっていたとされています。イスラム教の聖典コーランには「神の与えた果実」として記述されており、ラマダンの断食明けにはデーツが食べられます。また、古代エジプトの壁画や彫刻にもナツメヤシの描写が多く見られ、クレオパトラも愛した果実として知られています。近年では、中東だけでなく、アメリカのカリフォルニア州やアリゾナ州などの乾燥した土地でも栽培が拡大し、世界中で親しまれる果実となっています。

デーツとなつめの違い

デーツと間違われやすい「なつめ」は、その名前や見た目が似ているものの、植物学的には全く異なる果実です。なつめは、クロウメモドキ科の落葉樹で、おもな原産地は中国です。果実の大きさはデーツよりもやや小さく、丸形または楕円形で、果実の色は熟すと赤褐色になります。 一般に市場に出回っているのは乾燥なつめで、料理に使われるほか、生薬・漢方としても利用されます。また、伝統的な韓国料理である参鶏湯(サムゲタン)に入っていることでも広く知られています。

なつめとデーツ

デーツに含まれる栄養素と期待できる効果効能

デーツには食物繊維やミネラルなど、体にうれしい栄養素がたっぷり含まれいます。ここでは、デーツのなかでも特に注目すべき栄養素と期待できる効果についてご紹介します。

食物繊維たっぷりで便通改善!

デーツは食物繊維の宝庫です。食物繊維には水溶性と不溶性がありますが、デーツにはその両方が含まれています。水溶性食物繊維は腸内環境を整える作用があり、不溶性食物繊維は便のかさを増やして便通を整える作用があります。また、食物繊維には血糖値の急激な上昇を抑える効果があるため、デーツは低GI食品に分類されます。

豊富なミネラルで健康を維持

デーツには、カリウム、マグネシウム、鉄などのミネラルがバランスよく含まれています。カリウムは余分な塩分を排泄する働きがあり、マグネシウムは骨を形成したり、体内のさまざまな代謝を助けたりする作用があります。また、鉄は、不足すると鉄欠乏性貧血を起こし、疲労感や頭痛などの症状があらわれます。特に女性や成長期の子どもは不足しやすいため、意識的に摂取したほうが良いとされています。

抗酸化作用で美肌効果も期待!

デーツには、抗酸化作用のあるβカロテンも豊富に含まれています。活性酸素の生成は過酸化脂質を作り出し、動脈硬化やがん、老化、免疫機能の低下などを引き起こすといわれています。βカロテンは、この活性酸素の発生を抑え、取り除く働きを持っています。また、健康なお肌を保つためにも欠かせない栄養素です。

デーツの栄養成分表

栄養成分含有量(100gあたり)
エネルギー281kcal
たんぱく質2.2g
脂質0.2g
炭水化物71.3g
食物繊維7g
カリウム550mg
マグネシウム60mg
0.8mg
βカロテン160μg
出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

デーツを食べる際の注意点

デーツは栄養価が高く、多くの健康効果が期待できる食べ物ですが、カロリーが高く糖質量も多いため、食べ過ぎには注意が必要です。1日の摂取量は、大きいもので1粒、小さいもので2~3粒程度を目安にお召し上がりください。一度にたくさん食べるのではなく、少しずつ継続して食べることが大切です。

デーツつまんだ写真

デーツの種類をご紹介

デーツにはたくさんの品種があり、中東では600を超える優良品種が栽培されているといわれています。ここでは、日本で手に入りやすい品種をいくつかご紹介します。
*プロフーズで取り扱いのない品種もあります。また、デーツは大きさや形、色、食感、味に個体差があります。

品種と特徴

デーツの品種の比較写真

マジョール:デーツの王様とも呼ばれている大粒の品種で、1粒でも満足感のある食べごたえ。しっとりとした食感と干し柿のような深い甘みが特徴で、そのまま食べるのはもちろん、料理やお菓子作りにも適しています。

デグレット(リグレット)ノア:色が明るく表面に光沢があります。中東産のものは甘味が強く少し固めの食感。アメリカ産のものは、しっとりとしてすっきりとした甘みが特徴です。

サイヤー:イランで最も多く栽培されているデーツの一つ。外は少し硬く、中はしっとりとした食感で、黒糖のような味わいがあります。

ジャワンソアー:パキスタンで広く栽培されているデーツの一つ。適度な甘さと、さっぱりとした後味が特徴で、食べやすい品種として知られています。

アセール:やや小粒で、固めの食感。黒糖のような甘さがあり、料理やパン・お菓子作りに適しています。

デーツは品種によってそれぞれ特徴が異なります。また、同じ品種であっても、栽培地域の気候や果実の熟し具合によって、食感や味わいに違いが生まれます。ぜひ、いろいろな種類を食べ比べて、お気に入りを探してみてはいかがでしょうか。

デーツの美味しい食べ方

デーツはそのまま食べるのはもちろん、料理やお菓子作りにも活用できます。自然の甘みを活かした食べ方や、他の食材と組み合わせるなど、いろいろな方法でデーツを楽しんでみましょう!

まずは手軽にそのまま

デーツはそのまま食べるのが基本。小腹が空いた時やおやつにぴったりのドライフルーツです。また、中東ではアラビアコーヒーとセットでいただくのが定番で、紅茶や日本茶のお茶請けにもおすすめです。チーズやワインとの相性も良いので、おつまみにもどうぞ。

アラビアコーヒーとデーツ

料理やお菓子作りに

デーツを煮込み料理やカレーに加えると、深みのあるコクのある仕上がりに。また、デーツの自然な甘みは野菜との相性が良く、サラダの具材としてもおすすめです。パンやお菓子作りに使う場合は、適当な大きさにカットして生地に練り込んでお使いください。

デーツを使った料理の写真

便利なシロップタイプも

デーツシロップは、デーツを原料とした液状の自然甘味料です。デーツ同様濃厚でコクのある甘さが特徴で、ヨーグルトやパンケーキにかけるにもにはもちろん、砂糖やみりんの代わりとしても幅広く使うことができます。

デーツシロップとパンケーキ

デーツを使ったおすすめレシピ

ここでは、デーツを使った簡単レシピ2種と、食べ応え抜群のグルテンフリーシリアルバーの作り方をご紹介します。

デーツとクルミのキャロットラペ

デーツの甘さとビネガーの酸味が食欲をそそるキャロットラペ。お弁当や常備菜としてもおすすめです。

[材料]

[作り方]

  1. にんじんは千切りにし、塩小さじ1/2(分量外)をふって、しんなりとしたら水気を切る。
  2. ボールにAの材料を入れて混ぜ合わせる。
  3. 2に1とお好みの大きさにカットとしたデーツとクルミを加えあえる。

スタッフドデーツ

デーツとナッツとの相性は抜群。おやつとしてはもちろん、お酒のおつまみにも最適です。

スタッフドデーツの写真

[材料]

[作り方]

  1. デーツに軽く縦に切り込みを入れる。
  2. デーツにナッツを挟む。
    ※お好みでクリームチーズを一緒に挟んでも美味しくお召し上がりいただけます。

デーツを使ったシリアルバー

お砂糖代わりにデーツを使い、オートミールと米粉を使ったシリアルバー。グルテンフリーで栄養満点!小腹がすいた時などにおすすめです。

シリアルバーの写真

[材料]6本分

[作り方]

  1. Aをフードプロセッサーで少し形が残るくらいまで細かくする。
  2. ボールにBの材料をふるい入れ、そこに1を加えて混ぜ合わせる。
  3. 2に太白ごま油を加えしっかりと混ぜ合わせる。そこに豆乳を加えて混ぜる。
  4. 粉気がなくなったら、ラップに包み長方形に形を整え、冷蔵庫に入れる。
  5. オーブンを180℃に予熱する。予熱が終わる少し前に、4を長い方を横にしてまな板の上に置き、包丁を6等分に切り分けて、ベーキンペーパーを敷いたバットに並べる。
  6. 180℃で約25分焼く。(※焼き時間・温度はお使いのオーブンによって調節してください)

いかがでしたか。栄養豊富で、さまざまな健康効果が期待できる魅力いっぱいのデーツ。みなさんも日々の食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

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